こんにちは、リビングボイスの清水です。
相続税は税率が低くはないため、有用な相続税の対策を講じておくことは大切です。
たとえば、相続財産に預貯金が多ければ、不動産にすることで節税の効果が高まります。
また、相続財産を不動産に変えることで評価額を抑えることに役立つ特例などもあります。
今回は、これから相続の予定がある方に向け、節税につながる不動産活用の方法やポイントなどをご紹介します。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら不動産で相続したほうが現金よりも節税になる理由とは?
不動産は大きなプラスの資産です。
そのため「相続税が高くなるのでは?」とイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は現金などで相続するよりも、不動産で相続したほうが優れた節税対策になる可能性があります。
まずは、なぜ不動産の相続が有用かについて解説します。
節税が見込める理由①「財産評価額」を引き下げられる
なぜ現金よりも、不動産で相続したほうが節税に効果的かというと財産評価額を引き下げることにつながるからです。
故人が残す大切な相続財産には、現金をはじめ、不動産や貴金属、美術品などさまざまなものがあるでしょう。
相続財産が預貯金や現金であった場合、税法上で扱われる評価額もその金額のままとなります。
具体的な財産評価額の計算例
ここで、具体的な例を挙げてみていきましょう。
Aさんの遺産は、「預金」で8,000万円だったとします。
この場合は先ほどお伝えしたように、評価額は8,000万円のまま相続することになります。
そうすると当然、この評価額に応じた相続税が算出されます。
一方、Bさんの場合は8,000万円をそのまま相続するのではなく、4,000万円で「土地」を購入し、4,000万円で「家」を建てたとします。
なぜ節税効果が出てくるかというと、ここからの財産評価に違いがあるためです。
不動産には参照する価額によっていくつかの評価方法があり、それによって評価額も変わってきます。
不動産売買をしていたり、これから売買することを検討している方は、「公示価格」や「実勢価格」に耳馴染みがあるかもしれません。
公示価格とは不動産売買の目安となる評価額で、実勢価格は実際に取引された価格です。
不動産相続の場合には、「路線価」と「固定資産税評価額」が節税に関係してきます。
なぜかというと、「路線価」は相続税を算出する基準であり、土地部分が公示価格の8割ほどの評価額となっているためです。
また、「固定資産税評価額」は固定資産税を計算する基準となるもので、相続では建物に対して用いられ、公示価格の7割ほどの評価額となります。
これをBさんの例に当てはめると、土地部分は路線価により「4,000万円×0.8」で評価額が3,200万円に。
建物部分は固定資産税評価額により「4,000万円×0.7」で評価額2,800万円となります。
よって土地と家の財産評価額の合計は6,000万円です。
「預金」で相続するAさんは8,000万円に課税されるのに対し、「不動産」で相続するBさんは6,000万円に対して課税されるため、2,000万円の節税ができているといえます。
取得金額は相続税の税率にも影響する
また、相続税の「税率」は、法定相続分に応じた取得金額により段階的に割合が変わります。
たとえば、3,000万円を超え5,000万円以下なら税率は20%、5,000万円を超え1億円以下なら30%といった具合に段階的に割合が上がっていきます。
もっとも高いと、6億円を超えたときに税率は55%に達します。
不動産相続によって財産評価額の引き下げができたあと、ケースによっては取得金額の段階が下がり、税率も下げられる場合があります。
そうなるとより節税が期待できるため、相続の予定がある方は、まずは取得金額を把握しておくとよいでしょう。
節税が見込める理由②特例が使える
不動産の相続が節税につながる理由の2つ目は、現金よりも活用できる特例などの措置が多いからです。
一例を挙げると、「相続時精算課税制度」の活用があります。
制度の仕組みは、60歳以上の祖父母や両親から、子や孫が受けた贈与に対して2,500万円まで非課税となるというものです。
贈与者が死亡すると、相続時に贈与した分は精算するよう課税されます。
しかし、なぜ節税対策に有用かというと、精算時には贈与時点での評価額が用いられるためです。
もし将来的に価値が上がると見込める不動産なら、活用することで相続税の節税につながるでしょう。
相続税の節税が見込める不動産の活用方法とは?
節税を考えるうえで、不動産の活用は有効な相続税対策となります。
ここでは、おすすめの活用方法をご紹介します。
①二世帯住宅として土地を活用して「小規模宅地等の特例」を適用する
相続する際には、親から子へ受け継ぐケースが多いでしょう。
そこで、土地を二世帯住宅として活用して「小規模宅地等の特例」を利用することで、大きな節税が見込めます。
この特例は、用件を満たすと宅地の相続税評価額が、最大で8割軽減できるというものです。
故人が不動産をどう活用していたかで減額率が変わりますが、二世帯住宅の場合には故人の自宅として「特定居住用宅地等」の扱いとなり、8割の減額になります。
「特定居住用宅地等」では通常330㎡を超える部分は減額対象外ですが、二世帯住宅なら土地の全体を減額の対象とできることもメリットです。
たとえば評価額1億円の不動産の相続人が1人の場合、特例で評価額を8割減の2,000万円まで圧縮でき、さらに基礎控除額3,600万円分も差し引くので、結果的に評価額も課税額も0円となる場合もあります。
特例の活用にはクリアすべき要件があり、相続税額が0円になる場合でも申告が必要です。
また、1階は親、2階は子の名義といった区分所有登記の場合は適用できないので気を付けましょう。
②不動産投資で節税対策をおこなう
遺産に預貯金が多いケースでは、不動産を購入して「不動産投資」とすることも節税対策として有用です。
たとえば、収益物件としてアパートを1棟購入するような投資でも、固定資産税評価額や路線価で評価額を引き下げることができます。
ワンルームマンションであれば、貸付事業用宅地として200㎡以下の土地の評価額を50%減らせる場合もあり、節税が期待できますよ。
区分所有なら収益物件も購入しやすく、相続の前に不動産投資も始めやすいですね。
相続税を節税する際に意識したいポイントとは?
相続する財産を現預金ではなく不動産にすることで相続税評価額の減額が期待でき、節税が見込めることがわかりました。
相続税対策として不動産投資をする場合には、正しく節税につなげるためのポイントがあります。
①「実質利回り」を重視
相続税を節税する場合にも、収益物件の購入時には、収益の割合を表す「利回り」の理解がポイントになります。
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
表面利回りは、不動産の購入価格と年間の家賃収入だけで割り出します。
一方、「実質利回り」は税金や経費なども考慮して、純粋な利益の割合を利回りとして扱います。
より詳細にみる実質利回りに注目することは、不動産投資の基本的なポイントです。
②物件選びのポイント
一般的に、中古不動産は投資効果が高いともいわれます。
しかし、不動産投資で選ぶときのポイントとして「築年数」にも着目してみましょう。
昭和56年よりも前に建てられたものである場合、旧耐震基準の適用となっていると考えられ、ケースによっては大地震に耐えられない可能性があります。
収益性だけでなく、安全性も物件選びのポイントといえるでしょう。
まとめ
なぜ預貯金よりも、不動産で相続することが相続税の節税につながるのかを解説しました。
その理由として、不動産には評価額という基準があり、現金よりも価値が低く評価されることがあるため、その分課税額が少なくなることなどが挙げられます。
そして、これらの仕組みにより実際に節税するためには、不動産を投資などの方法で活用することもポイントですから、活用法をご検討中の方はお気軽にご相談ください。