じめじめする夏を迎えて、室内ではエアコンを使用することが多くなってきました。
エアコンを使用する月の電気代は、それ以外の月と比較すると驚くほどの値段になっていませんか?
室内に涼風が通れば、湿気を抑えてカビやダニの発生を抑えられ、より快適に過ごせる住まいになるかもしれません。
そこで今回は、夏の電気代節約にもつながる、風を味方につけた環境共生住宅づくりについて考えます。
環境共生住宅とは
温暖化が進む現代では、環境を保護する観点からエネルギーや資源・廃棄物などの面で十分に配慮がなされ、周辺の自然環境と調和した健康で快適に過ごせる住宅づくりを勧めています。
それらの地球と人にやさしい住宅を「環境共生住宅」と呼び、国はさらなる普及により持続可能な社会への転換を図っています。
住まいに卓越風を取り込もう
皆さんは「卓越風」という言葉をご存知でしょうか?
気象庁のサイトの用語解説によると、「卓越風とは、ある地点で月ごと、または年間を通して一番吹きやすい風向」となっています。
温帯地域で吹く偏西風や、熱帯地域で吹く貿易風は「卓越風」の一種と言えます。
国内では、東北地方の夏の「やませ」や、関東地方の冬の「空っ風」などが代表的な卓越風です。
これらのように知られていなくても、実はそれぞれの地域ごと、季節ごとに卓越風があります。
この卓越風を住まいに取り込めば、一年中快適に過ごせるようになるのではないでしょうか。
神奈川区総合庁舎における風向きを調べると、年間の風向き出現頻度が南南西(22.2%)が一番多く、次いで北(19.8%)、北北西(15.0%)となっています。(※横浜市役所公表データより)
また、季節別では秋・冬には北寄りの風、春、夏には南寄りの風の吹く頻度が高まる傾向にあります。
県内でも地域によっては微妙に風向きが変わってきますが、概ねこの風向を参考に住まいの通風を考えることができます。
卓越風を取り込むポイント
一年を通して考えたとき、風を住まいに取り入れたい一番の季節は夏です。
まず夏の卓越風の風向きを基本にして住宅の向きや窓の配置、周囲の建物との関係を考える必要があります。
1.風の出入り口を考える
風を住まいに取り込むには、風上に大きな窓を作ればいいというわけではありません。
出口がないと、風は通り抜けられないからです。
神奈川県内では風上である南に風の入り口を、北に風の出口を作ることが重要です。
また、上下に開口部を設けると、下部から風を取り込み、暖かい空気は上部の開口部から抜けるという縦の風の流れを作ることができます。
風を取り込みにくい住宅密集地では、天窓を設けると温まった空気が自然に上に昇るため、室内に風の流れを作ることができます。
2.場所に適したデザインの窓を
窓を設置する場所によって、風を取り込みやすい形の窓を選ぶことも大切です。
南側に面した窓は、全開口タイプの窓を設ければたくさんの風を取り込めます。
しかし、東・西側にしか窓を設けられない場合、縦すべり出し窓(外側に直角に窓が開く)を選ぶと風が取り入れやすいでしょう。
3.建物の配置
隣の家と建物が密着している場合、風は窓と平行に進むため取り込みにくくなります。
隣の家と密着せず、間に庭などを設けることで風を有効に取り込むことができます。
おわりに
卓越風と、自然の風を活かした住まい(環境共生住宅)づくりについてご紹介しました。
これから自由設計で住まいづくりをされる方は、風を取り込むポイントに留意されるとよいのではないでしょうか。
リビングボイスでは、平塚・小田原・厚木にある住まいを多数ご紹介しています。
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