こんにちは、リビングボイスの實方です。
土地はきれいに区画整理されたものばかりではなく、特殊な性質を持っているケースがあります。
この記事でご紹介する囲繞地(いにょうち)は隣地の所有者が通行に利用できるというルールがあり、他の土地とは扱いが異なるため売れにくいと言われています。
囲繞地の売却をお考えの方は囲繞地とはなにか、概要や売れにくい理由を整理し、売却を進めるポイントをおさえておきましょう。
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囲繞地の売却!囲繞地とは?
囲繞地の売却をお考えの方は囲繞地とはどのような特徴があるかを理解し、買い手に説明できるようにしておきましょう。
囲繞地ならではのデメリットを伝えることで、あとからトラブルになることが防げます。
また、囲繞地について理解を深めるには「袋地」についても知っておく必要があります。
囲繞地の概要や囲繞地と袋地の関係性を整理しておきましょう。
囲繞地とは
土地のなかには、周囲をほかの所有地に囲まれて公道に面していないものがあり、「袋地」と呼ばれています。
袋地とは「無道路地」とも呼ばれ、道路に面していないため袋地にお住まいの方は他の土地を通行せざるを得ません。
囲繞地とは袋地を取り囲む土地のことを指し、袋地の所有者が通行することが許されています。
袋地の所有者が囲繞地を通路として利用する権利を「囲繞地通行権」と呼び、通行権は民法によって守られています。
自分の土地に他人が入ってくることを好ましく思う方はいないでしょう。
囲繞地通行権が行使されることが囲繞地の大きなデメリットであり、売却時は買い手に理解してもらわなければならないポイントです。
しかし袋地の所有者はどこでも自由に出入りして良いわけではありません。
囲繞地の所有者にとってもっとも支障がないと思われる場所が通行に利用されます。
囲繞地の所有者は通行を拒否できない
通常、自分が所有する土地は自分だけが利用できるものであり、ほかの方が勝手に出入りすることは認められません。
しかし囲繞地は通行権という法的な効力を持った権利があるため、隣人の通行を許可しなければなりません。
所有者には拒否する権利がないことを理解しておきましょう。
袋地の所有者が生活するには囲繞地をとおって道路に出るしか方法はないため、囲繞地通行権が行使されるというわけです。
囲繞地の所有者は、袋地の所有者に通行を許可する代わりに通行料を受け取ります。
通行料は年払いでの支払いが一般的ですが、金額は定められていません。
基本的に当事者同士の話し合いによって決まりますが、協議がまとまらない場合は裁判所が間に入って相場をもとに金額が定められます。
金額を決めるときは、近隣の囲繞地の通行料や土地の賃貸価格、駐車場の料金などが判断材料になります。
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囲繞地が売却しにくい理由とは
一般的な土地を想定している買い手にとって囲繞地は特殊な事情が含まれるため、購入を躊躇されることは少なくありません。
囲繞地が売却しにくい具体的な理由を3つご紹介します。
不動産を売却するときは、買い手の気持ちを理解することが大切です。
デメリットとなる要素を整理したうえで、どのように売却活動を進めるかを考えましょう。
売れにくい理由①再建築ができない可能性がある
囲繞地や袋地がある場所は住宅密集地が多く、接道義務を満たしていない場合は再建築ができません。
防災や人命救助の観点から、住居を建てる土地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないと建築基準法によって定められています。
囲繞地に隣接する袋地は公道に接していないため、再建築不可となります。
再建築不可物件は「建て替えができない」「住宅ローンが利用できない」などの理由から、買い手が見つかりにくく空き家になりやすい傾向があるので注意しましょう。
空き家は人の管理がいき届かないため朽廃が進みやすく、屋根や外壁が崩れるなど景観が損なわれるリスクがあります。
害虫や害獣が繁殖することも考えられ、衛生状態が悪化するかもしれません。
空き家に対して地域の方はさまざまな不安を感じるでしょう。
囲繞地自体が再建築不可物件の可能性があることや、隣接する土地が空き家になるリスクが高いこと売れにくい理由に挙げられます。
売れにくい理由②日当たり・風通りが悪い
囲繞地は日当たりや風通りが十分確保できないケースが多く、住環境の悪さが売れにくい理由に挙げられます。
解放感のある雰囲気や見晴らしの良さを家探しの条件に挙げている方は多く、日当たりや風通しが悪いことはマイナス要因となるでしょう。
囲繞地がある地域は建物が密集している傾向があり、四方が建物によって囲まれているケースは多いです。
したがって太陽光や風通りが遮断されやすく、室内の採光が確保できなかったり、湿度が高くなったり、さまざまなデメリットの要因になります。
日当たりが悪いことで洗濯物が乾かないなど、買い手は新生活に対して不安を感じるでしょう。
売れにくい理由③駐車場がない
囲繞地は過去の相続や土地の分割によって生じたケースが多く、狭小な土地の場合が多いです。
そのため駐車場が確保できないケースがあるため注意が必要です。
地域によっては公共交通機関より車移動のほうが、利便性が高い場合があるでしょう。
ほかの場所に駐車場を借りなければならないとなると、出費が増えることや日常生活が不便になることから購入を避けられるかもしれません。
また囲繞地に隣接する袋地は公道に面していないため、車の利用はないという前提で建物が設計されているケースが多いです。
たとえ土地に駐車場を作るだけの余裕があったとしても、囲繞地を車で通行しなければならないので現実的ではないでしょう。
囲繞地の所有者としても自分の土地を他人の車が日常的にとおることはリスクがあるため、通行権の協議がまとまらない可能性が高いです。
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囲繞地を売却するポイントとは
囲繞地は住宅として活用するにはマイナス面があり、買い手がつかない可能性が否めません。
そのため囲繞地を売却するときは以下のポイントを参考に、事前に対策できることを検討してみましょう。
売却するポイント①通路部分を購入してもらう
囲繞地の売却が難しい理由の大きなポイントは、袋地の所有者が自分の土地を利用することを許可しなければならない点だと言えます。
そのため通路部分を袋地の所有者に売却すればお互いに気にする必要がなくなり、住みやすくなるでしょう。
袋地の所有者に土地の一部分を売却し、その後新たにメインの土地の売却をしなければならないため手間はかかりますが、結果的にスムーズな売却につながるでしょう。
売却するポイント②袋地と共同で売却
袋地と共同で売却すれば、袋地の所有者が囲繞地を通行することを解決できます。
袋地の所有者も囲繞地と同様に売却しにくさを感じているでしょう。
所有者同士の関係性が良好であれば、袋地と囲繞地をまとめて売却する方法は有効です。
売却のタイミングや売却価格など協議しなければならない点はありますが、それぞれが買い手を探すより効果を発揮するでしょう。
売却するポイント③隣地の所有者に売却
袋地の所有者は囲繞地を通行する権利が法的に守られていますが、囲繞地の所有者に通行料を支払わなければなりません。
具体的な金額は法律で決められていないので、お互いの協議によって設定されます。
毎年通行料を支払い、周囲に気を遣った生活をするのであれば、囲繞地を購入したいと思っている方もいるでしょう。
双方にメリットがあるため、スムーズに売却できるかもしれません。
売却を検討していることを隣地の住人に相談してみましょう。
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まとめ
囲繞地とは袋地に隣接した土地で、袋地の所有者の通行を拒めないという特殊なルールがあります。
囲繞地の特性を許容できない買い手も多いため、売却しにくいと言われています。
売却をお考えの方はご紹介した売却するポイントを考慮し、事前に対策すると良いでしょう。